夫よ。
あなたは一体何をしたのですか?
私は今、私自身の人生の中で経験のないことに出会っています。
あなたが入院してから何人かの方に言われました。
「少しでもご家族の支えになりたいので仲間がカンパを申し出ている。送らせてもらいたい。」
正直びっくりしました。
カンパが必要なほど困っている家庭だと見えていたのかと。
でもそれは違うとすぐわかりました。
本当にあなたのことを心配して、あなたの不在で不安になっている家族を心配して、あなたのこと以外に不安の種を増やさなくて済むようにとの配慮であるとわかりました。
私はそのお気持ちに対するありがたさを感じながらも丁重にお断りはしました。
「そんなことしていただいたのを夫が知ったら叱られますから」
謙遜です。夫はきっと私を叱らない。家族を助けてくれてありがとうと思うでしょう。
「○○さん(夫)はそんなことで絶対叱るような方じゃないですよ」
そこまであなたの性格を知っている『仲間』という方々。
あなたは一体その方々とどれだけのことをしてきたんですか?
昔、休日は出かけて家に居付かないあなたに私は文句を言ったことがありました。
その『仲間』と過ごす時間は当時のあなたにとっては重要で、だからといって家族を無下にしていいと思っていないことは知っていたけど。
こういうときに家族の支えを申し出てくれるほどの信頼関係を築いてきたとは。
だから私はあなたが築いてきたものに頼ることにしました。
「もし必要なことがあればお知恵を貸していただきたい。」
私には知らないことが多すぎるのです。例えば労務関係や福祉関係など、すでにお知恵をお借りしていろんな制度に相談することもできました。
今まで関わることがなく知ることもなかったもの。これからも色々とあると思いますが、困った時や行き詰った時は相談させてもらうことにします。
明日は数秒かもしれないけど会えるということなので病院に行きます。
面会とは言えない時間だけど、伝えたいことがあるからね。
ちゃんとあなたの耳に届きますように。