車を運転中に時々一人で泣くんだけど、ドラマチックなほど落ち込んでいない気がするし、人前では普通の顔をしている。
今通ってる学校の仲間にはもちろん夫のことは言ってない。入校前のことだからね。
だからもし仲間が知ったらあまりの普通さにびっくりするかもしれない。
家から夫の匂いはすっかり消えてしまった。夫の布団に顔を埋めてももう匂いはしないし、夫が好んで吸っていたたばこの葉の匂いもしない。
時々夫の姿を探すけど見つからなくて、マンション裏のガレージでバットを素振りしている姿を目を凝らしたら見えるんじゃないかと思うんだけど、脳裏に浮かぶだけで実際には見えない。
大きくて分厚くて肉々しい手を握った感触ももう残ってなくて、その厚さがどれほどだったか実感はない。
縦にも横にも大きかった体がこんな小さな骨壺に納まるわけがないと思いながら写真を見つめ、「どっかに居るんだろうな」と期待している。
家ではそんな体たらくだけど、外では笑って過ごしているよ。
今朝ラジオから夫の好きだった歌が流れてきて、車中でボロボロ泣きながら聴いた。
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もう一度船に乗りたいと言ってたけど、ずっと行きたかった地にはもう行ったかな?